第9回公演
ヴェルディ
「仮面舞踏会」

全幕(日本語訳詞上演)

オペラプロジェクト4
1999.2.21(日)午後2時開演 
ルネこだいら大ホール 
全席自由1,500円

 

スタッフ

芸術監督・制作統括・演出
        ・・・・・八木原 良貴 
音楽監督・指揮
        ・・・・・野町 琢爾 
舞踊監督・演出補・舞台監督
        ・・・・・木室 陽一 
美術
        ・・・・・奥山 直美・面矢 武彦 
衣装
        ・・・・・藤井 明子 
日本語訳詞・台本
        ・・・・・三浦 真弓 
編曲
        ・・・・・青山 るり

 

キャスト

グスターヴォ3世(スウェーデン国王) Tenor
                          ・・・・・丹下 知浩 
アメリア(レナートの妻) Soprano
                          ・・・・・大津 佐知子 
レナート(国王の秘書官) Baritone
                          ・・・・・上田 純也 
オスカル(国王に仕える小姓) Soprano
                          ・・・・・小柴 亜希子 
ウルリカ(占い師) Mezzo Soprano
                          ・・・・・辻本 英恵 
リビング伯爵(国王反逆派貴族) Bass
                          ・・・・・青木 亮 
ホーン伯爵(国王反逆派貴族) Bass
                          ・・・・・北 教之 
クリスティアーノ(国王に仕える兵士) Baritone
                          ・・・・・里田 浩 
判事 Bass
                          ・・・・・山崎 大作 
アメリアの召使 Tenor
                          ・・・・・千葉 崇史

ガレリア座管弦楽団
ガレリア座合唱団
ガレリア座バレエ団

 

上演に寄せて

オペラハウスの天井桟敷ガレリア(ええ、もちろん! これが私たちの名前の由来です)から眺める舞台〜オペラの楽しみ。大きなプロセニアム(額縁)の中に生きる人々は、歓喜に打ち震え、むせび泣き、高らかに笑い、怒りに我を忘れます。あらゆる人間の感情が、魂の叫びとなって外界に放たれるとき、私たちはそれを「歌」と呼びます。イタリア・オペラ、とりわけヴェルディの音楽には、そんな「歌」が溢れているのです。

そしていよいよ、ガレリア座がヴェルディに挑みます。

技術も、お金も、指導者さえも持たないアマチュアの私たちですが、これまで培ってきた舞台への情熱を、どう「歌」に転じられるか。歌い手も、オーケストラも、バレエも、そして裏方まで、すべてのセクションに熱い血を通わせ、一体となって魂の「歌」を歌いたい。オペラに携わる人間として、そんな幸せを一瞬でも感じられたら…。また、お客様にも感じていただけたら、それこそ望外の喜びです。

演出では、国王という「仮面」をまとうことを運命づけられたひとりの男に焦点を当てています。彼が運命の担い手たちに導かれながら、自らの死を以て、ようやく「仮面」を脱ぎ捨て、人間としての愛や友情を取り戻す悲劇に仕立ててみました。

そして、今回。いつもお世話になる大勢のスタッフに加え、昨夏のオペラ・コンチェルタンテ公演「仮面舞踏会」の練習を、特別のご好意で見学させて下さった東京フィルハーモニー交響楽団(事務の井坂さん!)と、超ご多忙(!)のなか、私たちの愚問の山に丁寧に答えて下さり、プログラムにメッセージまでいただいた世界のマエストロ、大野和士さん!!に心より感謝申し上げます。

間もなく、運命の幕が上がります。最後まで、ごゆっくりお楽しみ下さい。

本日はご来場、ありがとうございました。

         ・・・・・ガレリア座主宰 八木原 良貴

 

あらすじ

3幕からなる悲劇的オペラ
台本 アントニオ・ソンマ 
原作 ウージェーヌ・スクリーブ(1791 - 1861)
『グスタヴ3世、または仮面舞踏会』(1833) 
初演 ローマ アポロ劇場 1859.2.17 
作曲 ジュゼッペ・ヴェルディ(1813 - 1901)

 

第1幕

民衆の敬愛を集め、朝の執務にいそしむ国王グスターヴォ。しかし彼の心は、忠実な家臣レナートの妻、アメリアへの道ならぬ恋情に乱れている。その王を冷然と見つめるホーン伯爵とリビング伯爵。

レナートは、彼らの国王暗殺計画を王に告げ、王への変わらぬ忠誠を誓う。 主任判事が登場、人々を惑わす女占い師ウルリカの追放を求めるが、小姓オスカルの弁護を聞き入れ、グスターヴォは漁師に変装し、自らウルリカの隠れ家に乗り込み、事の真偽を確かめることとなる。

ウルリカの洞窟。まっ先に到着したグスターヴォは、ウルリカの占いを物陰からうかがう。兵士クリスティアーノへの占いも的中。と、そこへアメリアが現れる。

彼女も、グスターヴォへの許されぬ恋に苦しんでいる。ウルリカは「真夜中に処刑場へ行き、魔法の忘れ草を摘め」と告げる。アメリアの真情を知ったグスターヴォは、自分も処刑場に赴くことを決意する。

アメリアが去り、変装した貴族達が登場。ウルリカはグスターヴォの未来を占い、「最初に握手する人物に殺される」と予言。一同驚愕の中、王の手を握ったのは、遅れて到着したレナートだった。

 

第2幕

真夜中、忘れ草を積みに来たアメリア。そこへ突然グスターヴォが現れる。アメリアは彼の愛の訴えに抗えない。真実の想いを解き放つ二人。

そこへレナートが現れ、暗殺者達が迫っていると告げる。顔を隠したアメリアをレナートに託し、グスターヴォはその場を脱出する。

入れ違いに現れたリビングとホーンは、王を逃した腹いせにレナートを襲う。思わず飛び込むアメリア。その瞬間、彼女の顔を隠したヴェールが落ちる。一瞬の驚愕の後、事態を察したレナートの中に、グスターヴォに対する嫉妬と怒りが燃え上がり、彼は国王暗殺に加担することを決意する。

 

第3幕

アメリアを連れ帰ったレナートは死をもって罪をあがなうよう迫る。最期に一目、我が子に会いたいと懇願するアメリア。グスターヴォへの復讐の決意を固め、リビングとホーンと志を一つにするレナート。最後のとどめを刺す者を選ぶくじを引いたのは、恐怖の予感に震えるアメリアの手だった。

華やかな仮面舞踏会に向け、それぞれの思惑が交錯する。 王宮では、グスターヴォが、レナートを転任させることを決意。そこに、舞踏会の音楽が聞こえてくる。会場にいるであろうアメリアへの募る想い。危険を知らせる手紙も、彼の激情を留めることはできない。グスターヴォは、死の運命の待つ仮面舞踏会会場へ駆け込んでいく。

華やかに仮装した人々が集う仮面舞踏会は、おりしも宴の最高潮。そんななかで国王暗殺をたくらむ一味は、グスターヴォの仮装を見破ろうと合図をかわす。レナートに詰め寄られたオスカルは、グスターヴォの仮装を教えてしまう。 一方、危険を告げようと舞踏会会場に駆けつけたアメリアはグスターヴォを見つけ、この会場から去るように必死で説得する。しかし、グスターヴォは聞き入れず、アメリアにレナートとともに転任地へついていくことを促し、恋のおわりを告げる。

と、そのとき鳴り響く銃声。胸に飾った薔薇が散り、倒れるグスターヴォ。銃弾を放った反逆者として取り押さえられるレナート。ところが、グスターヴォは周囲の混乱を諌め、レナートに罪はないと赦免を告げる。後悔にくれるレナートと、運命のいたずらを嘆くアメリアを残し、周囲の人々が見守るなかで、グスターヴォは息をひきとる。