第10回公演 オペレッタプロジェクト9
スタッフ 芸術監督・演出・台本
キャスト ジュピター(天空の神) ガレリア座管弦楽団(コンサートミストレス:栗秋弓子)
ごあいさつ 理屈はどうあれ思いっきりおもしろく、そして馬鹿馬鹿しく作ってみたい。 ガレリア座第10回めの公演にして、「ホフマン物語」に続き2回目のオッフェンバック作品を取り上げるにあたり、私は意を決したのでした。 なんといっても相手は「天国と地獄」。日本では、その昔、浅草オペレッタで頻繁に上演され、序曲のフレンチカンカンは”カステラ一番、電話は二番”や、運動会のBGMですっかり独り立ちした人気者。夫婦愛を描いたおなじみのギリシャ神話「オルフェオとエウリディーチェ」をベースに、ギリシャ神話のエピソードを徹底したパロディに仕立て上げ、フランスの第二帝政を完全に皮肉った内容は、19世紀中葉のフランスでインテリからも庶民からも絶大な支持を受け、さらに当時の高名な音楽評論家ポール・スミスをして「もし、このオペレッタに魅力を感じないというのなら、それは聞く側の趣味の問題でしかない」と言わしめたオッフェンバックの一大傑作。 音楽の魅力は言うにおよばず、登場人物は極めつけの個性派ぞろい。 アマチュアといえど、歌手、オーケストラ、バレエのすべてのセクションが出たがり、やりたがりのガレリア座であれば、きっとドライなドタバタ劇が作れるはず。歌って、踊って、そりゃもう大騒ぎ! 一度、幕が開いたら最後、あっと言う間に終わってしまうこと、もうぜったいに請け合います。いいですか。よけいなまばたきは禁物ですゾ! 本日はご来場、ありがとうございました。 ・・・・・ガレリア座主宰 八木原 良貴
あらすじ ジャック・オッフェンバック作曲
第1幕 世論が現れ、この物語の貞節を私が監視しようと訴える。 所変わり、エウリディーチェは夫オルフェウスに飽き、今や羊飼いのアリステウスといい仲。しかし、このアリステウスこそ悪魔プルートで、エウリディーチェを殺害し、地獄へと連れて行ってしまう。 妻の死を聞き喜びハッスルするオルフェウスの前に口うるさい世論が現れ、天国へ行き、神々の長ジュピターに頼み込んでエウリディーチェを取り戻すよう命ずる。口うるさい世論の言うことに渋々従うオルフェウスは彼女とともに地獄へと向かう。 一方、天国は平和で平凡で、神々が毎日をただただのんべんだらりと過ごしている。と、そこで人間界の女が何者かに連れ去られた事件が話題にのぼり、女癖の悪いジュピターの仕業に違いない、とほかの神々は一斉にジュピターへ疑いの眼差し。 確かに女癖は悪いが、今回に関しては身に覚えのないジュピターは濡れ衣を晴らすため、神々の前にプルートを呼びつけ、見せしめのように詰問する。しらを切るプルートだったが、世論に付き添われオルフェウスがやってきて、ジュピターに助けを請うたところで発覚。ジュピターは地獄へ探索にでることにする。 それを聞いた神々は刺激だらけの地獄へつれて行け!と大騒ぎするので、神々全員で地獄旅行と相成る。
第2幕 愛しのアリステウス(プルート)に捕らえられ地獄に来たものの、話し相手はプルートの子分、不気味なハンス・スティックスだけ。エウリディーチェは退屈に耐えられない。 そこへ、ジュピターがハエに化けて現れる。エウリディーチェはハエと戯れている。ジュピターはエウリディーチェの誘惑に成功すると正体を現し、彼女にここから脱出させることを誓う。 一方、地獄の宴会場では神々達が乱痴気騒ぎ。酒の神(バッカス)の巫女に扮したエウリディーチェとジュピターは騒ぎの隙を見て逃げ出そうとするが、プルートに見つかり捕まってしまう。 世論からも、エウリディーチェをオルフェウスに帰すよう詰め寄られる。ジュピターは仕方なくエウリディーチェを帰す事にするが、オルフェウスにひとつ条件を出す。妻を地上に連れ帰るまで何があっても後ろを振り向いてはならないというものだ。 やがて、オルフェウスはエウリディーチェを連れ帰る。言いつけを守り、なかなか後ろを振り向かないオルフェウスに業を煮やしたジュピターは雷を落とす。驚いてオルフェウスは後ろを振り向いてしまう。これでエウリディーチェは再び俺のもの!と喜ぶプルートだったが、ジュピターは、彼女をバッカスの巫女に正式に任命すると決めてしまう。 神々はバッカスを称えて幕となる。 |