第18回公演
E.カールマン
「モンマルトルのすみれ」

全幕(日本語訳詞上演)

 

オペレッタプロジェクト13
2006/4/2 (日) 午後2時開演(午後1時30分開場)
新宿文化センター大ホール
全席指定2000円

 

スタッフ

芸術監督/制作統括/演出
        ・・・・・八木原 良貴
音楽監督/指揮
        ・・・・・野町 琢爾
舞踏監督/振付
        ・・・・・藤井 明子
美術監督
        ・・・・・長谷部 和也
演出補
        ・・・・・内藤 明日香
美術/衣裳
        ・・・・・小森 純子/鳥越 久美子/日向 燦太
照明
        ・・・・・寺西 岳雄 (マーキュリー)
音響
        ・・・・・小山 和男 (ワンダースリー)
ヘア&メイク
        ・・・・・松本 良輔 (ラルテ)
翻訳/訳詞
        ・・・・・三浦 真弓
編曲
        ・・・・・鶴岡 敬一
大道具
        ・・・・・桜井 俊郎(C−COM) 
小道具
        ・・・・・後藤 弘幸(高津装飾美術株式会社) 
制作補
        ・・・・・今井 彩乃/小川 智子/笠原 江理子/水野 ゆり/山内 美英
合宿手配
        ・・・・・天谷 麻紀/高橋 佳子/若田 志野
配券手配
        ・・・・・外山 純生/大貫 裕之/西野 千安紀
練習ピアノ
        ・・・・・佐藤 祥子/橋本 修一
記録
        ・・・・・岡野 肇(まじかるふぇいす)
会計
        ・・・・・宮崎 健司/寺西 美陽
事務局長
        ・・・・・藤澤 寧都

 

キャスト

ラウル・ドラクロア (画家:テノール)
                          ・・・・・釜田 雄介
アンリ・ムルジェ (詩人:バリトン)
                          ・・・・・北 教之
フロリモン・エルヴェ (音楽家:テノール)
                          ・・・・・佐藤 尚之
ニノン
                          ・・・・・大林 弘子
ヴィオレッタ・カヴァリーニ
(“モンマルトルのすみれ”と呼ばれている街頭歌手)
                          ・・・・・大津 佐知子
パリーギ (ヴィオレッタの後見人の楽師:バリトン)
                          ・・・・・榎本 健太郎
フランソワ・ピスカチェック (執行官:バリトン)
                          ・・・・・木下 圭一
ピポ・ド・フラスカッティ将軍 (芸術大臣:テノール)
                          ・・・・・小宮山 弘樹
ヤコブ・ロスチャイルド男爵
                          ・・・・・小林 靖広
カミーユ・ブリュメ (美術商)
                          ・・・・・野尻 昌宏
ボードヴィル座の支配人 
                          ・・・・・齋藤 昭典
ルブラン(芸術大臣の秘書)
                          ・・・・・八木原 良貴
アルマン (老ボヘミアン)
                          ・・・・・山崎 大作
モーリス (劇場の召使)
                          ・・・・・藤本 純也
ロレット (踊り子)
                          ・・・・・越智 伊穂里
ショケット (踊り子)
                          ・・・・・笠原 江理子
フルレット(踊り子)
                          ・・・・・沼田 和子
ペペ(使い走りの少女)
                          ・・・・・高橋 佳子
フラボー(舞台監督)
                          ・・・・・外山 純生
マルゴ(ニノンの侍女)
                          ・・・・・原 美緒
ジャン(コックの見習い少年)
                          ・・・・・水野 ゆり
紳士1
                          ・・・・・利根川 聡
紳士2
                          ・・・・・大貫 裕之
紳士3
                          ・・・・・木下 卓
男1
                          ・・・・・宮崎 健司
女1
                          ・・・・・木下 香
マダム・ピカール
                          ・・・・・小森 純子(助演)

ガレリア座管弦楽団(コンサートマスター:山内 美英)
ガレリア座合唱団
ガレリア座バレエ団

 

ごあいさつ

こんなにオペレッタに染まってしまった。

高校生のときにウィーン・フォルクスオーパー来日公演の「こうもり」にやられてから、四半世紀経った今、とにかくオペレッタという美しくて、楽しくて、切なくて、いかがわしいものに私はどっぷり浸かっている。

ガレリア座では、かつてヨハン・シュトラウス協会に後援いただいて喜歌劇「王子メトゥザレム」を復活蘇演させたが、あの時は何も資料がなく本当に闇の中から作品を探り出すような苦労があった。そして今回、それなりのノウハウは身につけたものの、カールマンの隠れた傑作「モンマルトルのすみれ」の日本初演に、じつに苦しんだ。

「またやってしまった・・・学習しないな」と笑ったが、私にとって見ていないオペレッタ作品を自らの手で“見られる”状態にするのは、なんだか使命のような気になっている。だって、カールマンなら「チャールダッシュ」「マリツァ」「サーカスの女王」3本で決まり!じゃないんですよ!日本のオペレッタ事情は遅れてるの!今やウィーンでもドレスデンでも「シカゴ大公令嬢」は人気だし、「モンマルトル」もロシアやオハイオ・ライトオペラがレパートリーにしている。ちょっと芝居が長いけど、オペレッタ版「ボエーム」は本当にいいんだから!こんな作品を知らないとすれば大損だと思う、本当に。

でも、私の幸せは、それを実現するのに仲間がいる、ということだ。皆、少ない時間をフルに使って、本当に未知の作品に熱い血を通わせてくれた。モンマルトルに住む若い芸術家たちに自分たちを置き換えて、等身大のように演じているのかもしれない。通し練習を見ていて、演出卓で泣きそうになるなんて経験をするとは私自身、思いもよらなかった。

オーケストラ、こちらも必死だ。ハープが全曲鳴り続けるオペレッタなんてあるだろうか?特殊楽器はチェレスタ、バンジョー、マンドリン。果てはストリート・オルガンまで登場する。“おかず”と呼ばれる装飾音の多さに、木管金管楽器は相当悩まされた。あらゆる困難を克服して、いや、正確に言えば克服しつつ本日の舞台を迎える。とにかく一生懸命やります。長いですけど、見てください。少しでも、ほんの少しでも、パリの、モンマルトルの薫りを感じていただけたら・・・大成功でございます。

本日はご来場ありがとうございました。

         ・・・・・ガレリア座主宰 八木原 良貴

 

 

あらすじ

 

第1幕 芸術家たちの住むアパルトマンの屋根裏部屋

パリのモンマルトルにある古い家の屋根裏部屋に、画家のラウル、作曲家のフロリモン、詩人のアンリが、

貧しいながらに陽気に暮していた。 
<第1曲 導入「何だ、またか!」>

ラウルは恋人ニノンをモデルに「アフロディテ(美の女神)」と題した裸婦像を描いていたが、
移り気なニノンに腹を立て、彼女の服を窓の外に投げ捨ててしまう。3人の芸術家はつい立ての外に出られなくなったニノンをからかって歌う 

<第1 1/2曲 芸術家の三重唱「どうだい 僕の手柄!」>
そこへラウルに思いを寄せる街頭歌手のスミレ(ヴィオレッタ)が、スミレの花束を届けに部屋を訪れ、「歌声は神様の贈り物」と歌う
 
<第2曲 スミレのリート「小さなスミレの花よ」>
 

ラウルに「若い娘がモンマルトルのアトリエに来てはいけない」と諭されたスミレだが、3人の窮状を知り、

彼らのために自分の大切なロケットをお金に換えようと提案する。しかしラウルは代わりに、執行官の

ピスカチェックに借金申し込みの手紙を届けるように頼む。スミレが出かけると、ニノンが服を返してくれない

なら・・・と新聞紙をまとってつい立てから出て来る。大胆な新聞紙ドレスに大喜びするフロリモンとアンリ。

それを見たラウルは、アンリを連れてニノンの服を探しに行く。残ったフロリモンとニノンは、パリジャンとグリ

ゼットは自由な恋を楽しむものと歌う 
 
<第3曲 ニノンとフロリモンの二重唱「舞い上がるようなセリフ」>
 

結局ラウルはニノンの服を見つけられず戻ってくる。ニノンの粗末な服は彼女に好意を持つ金持ちの男が拾っ

ていったのだった。その男から代わりに届いた高価なドレスを身に付けたニノンは、

「私の恋人はパリの街」といい、ラウルに別れを告げ部屋を出て行く。
 
<第4曲 ニノンとラウルの二重唱「ほらニノン、いま気付いて欲しい」>
 
 

落ち込むラウルをフロリモンとアンリが励ましていると、執行官ピスカチェックがやって来る。

彼はある変わり者からの贈り物だといって3人の芸術家に3000フランを渡し、

一同は大喜びで歌う <第5曲 四重唱「金がある!金がある!」>

一方スミレは、ピスカチェックを訪ねる代わりに自分のロケットを質に入れて、3人のために食べ物を買って

来るが、大金を手にした彼らが旅に出ると聞いてがっかりする。悲しむスミレをラウルは優しく励まし、

帰ってゆく彼女を見送る 
<第6曲 スミレとラウルの二重唱「人気のないパリのさびしい路地で」>
 
 
旅支度を整えたラウルたちが出かけようとすると、彼らが大金を手にした事を聞きつけた芸術家やグリゼット

たちが押し掛けて来る。 <第7曲 合唱「みんな呼べ!集まれ!詩人よ画家たちよ」>

皆で大騒ぎをしていると、先ほど帰ったばかりのスミレが冷酷な後見人パリーギに殴られ屋根裏部屋に逃げ

込んで来る。
 
スミレに街頭で歌を歌わせて金を稼いでいるパリーギは、金づるを渡すまいと彼女を無理やり連

れて帰ろうとするが、3人の芸術家たちは手にした大金を投げ出してスミレを開放し、一緒に暮そうと彼女を

迎えるのだった。

 
 
第2幕 アパルトマンの中庭

スミレはお金に困っていても3人の芸術家の世話をしながらラウルのそばで暮らせることを喜んでいた 

 
 
<第8曲 スミレのリート「何て美しい春よ!」>
 

そこへピスカチェックが来て、借金が払えないなら、家財道具を差し押さえなければならない、と言って

帰っていく。
一方、ニノンは、芸術大臣をパトロンにして、ボードヴィル座の花形歌手となり、毎日ファンの

紳士たちに囲まれ、華やかな暮らしをしていた。 

<第8a曲 ニノンと紳士たちのアンサンブル「麗しい殿方に囲まれて」>

 

しかし、彼女はラウルへの思いから、モンマルトルを離れず、彼らの隣に住んでいる。一度は別れた恋人

に距離を置くラウルだが、ニノンの魅力に負け、彼女をモデルにしたアフロディテの絵を仕上げる約束をする。

それを聞いたスミレは、ニノンのもとに行かないよう、必死に訴える。その一途さにラウルは心を打たれるが、

本当の恋を知らないスミレに、愛の情熱は分からない、と歌う。
 

<第9曲 ラウルのリート「初めてのくちづけも知らずに」>

 
 
ピスカチェックがいよいよ差し押さえにやってきて、借金を払えない芸術家たちを、家財道具ごと、中庭に放り出すが、
彼らはどんなときも輝く未来があると歌う。
 <第10曲 四重唱「両手広げて仰げ」>
 
そして4人はまたしても幸運に救われる。フロリモンは偶然手にした新聞で、自分とアンリのオペレッタ「春のくちづけ」が採用されたことを知る。彼は結婚式に向かう途中のピスカチェックから、まんまと燕尾服を手に入れると、アンリと共に劇場に向かう。
 
 
スミレが家事に励んでいると、ニノンが芸術大臣を見送りに現れる。代人はニノンに張り合うスミレに興味を示すが、議会の時間になり、書類鞄を忘れたまま帰ってしまう。するとニノンはラウルを誘惑し、彼を自分の部屋に招き入れる。 
 
<第11
曲 ニノンとラウルの二重唱「ひとりの時は今も」>
 
それを見たスミレはがっかりするが、忘れ物を取りに戻ってきた芸術大臣を上手く説得し、ラウルをルーヴルの絵画修復士に任命してもらう。喜ぶスミレの前に、オペレッタ採用の前払い金を手に入れたフロリモンが帰ってきて、2人はオペレッタ「春のくちづけ」の二重唱を歌う 
<第12曲 スミレとフロリモンの二重唱「待ちに待った三月に」>
 
モンマルトルでは、恒例の春のスイセン祭りが始まり、人々が集まってくる。 
 
<第13曲 合唱「みんな呼べ!集まれ!お祭りがやってきた!」>
 
ニノンを中心に皆が踊りに興じていると、芸術大臣の秘書ルブランが、ラウルにルーヴル美術館修復技師への任命通知を届けにやってくる。スミレはようやく自分の思いが届くと喜ぶが、ラウルはこれをニノンのお陰と勘違いし、芸術家たちと共にニノンのもとへ行ってしまう。傷ついたスミレは、ひとりモンマルトルから姿を消す。 
 
 
 
第3幕 パリ ボードヴィル座のアーティストロビー
数ヵ月後、「春のくちづけ」はニノンを主演女優に初日を迎えた。
一幕は大成功を収め、劇場の支配人を始め、関係者は上機嫌だったが、ニノンはラウルが現れないことに不満を募らせる。
アーティストロビーでは将校たちが、コーラスガールに終演後のデートを申し込んでいる 
 
<第14a曲 合唱「幕間にあなたに会うと」>(挿入曲:カールマン作曲 喜歌劇「悪魔の騎手」より)
 
芸術大臣もニノンの楽屋を訪れ、彼女の演技を賞賛する。 
<第14曲 ニノンと芸術大臣の二重唱「麗しきジョセフィーヌ」>
 
一方、劇場では2人の人物が人捜しをしていた。
銀行家のロスチャイルド男爵は、美術商のブリュメから、顧客である女優ラヘルの肖像画が入ったロケットを手に入れ、彼女の依頼で持ち主を捜していた。
そのロケットこそ、モンマルトルを去ったスミレが、生活に困って手放したものであった。
もう一人、執行官のピスカチェックは、人相書きを手に、借金から逃げ回っている「金髪の男爵」を探していた。
 
 
ニノンの指示で、ラウルを呼びに行ったモーリスは、ラウルからニノンの花束と手紙を預かってくる。
ラウルはスミレを失って初めて、彼女への愛に気づき、ニノンとの関係を清算しようとしていた。
別れを告げるラウルの手紙を読んだニノンは、ショックのあまり役を降りると言い出し、楽屋に閉じこもってしまう。
 
うろたえるフロリモンたちの前にスミレが現れ、見事に侯爵夫人を演じてみせ、ニノンの代役を買って出る。
 
スミレと再会したラウルは、彼女への愛を打ち明け、互いの気持ちを確かめ合った二人は、くちづけを交わす 
<第14 1/2曲 スミレとラウルの二重唱「愛の無い世界なんて」>
 
 
スミレは侯爵夫人の大アリアを歌い上げ、皆は第二幕の成功を確信する
 
<第15曲 回想「今なら伝えられる」>
 
ピスカチェックは人相書きの身なりをしたロスチャイルド男爵を「金髪の男爵」と勘違いして捕え、
借金のかたに、貴重品を取り上げようとして、スミレのロケットを見つける。
 
 
ピスカチェックの説明で、ロケットの持ち主を知ったロスチャイルド男爵は、
第二幕を成功させて戻ってきたスミレに、彼女が女優ラヘルとベルニーニ伯爵の娘であることを告げる。
 
 
母が生きていることを知ったスミレは動揺のあまり、第三幕を演じられなくなってしまう。
再び慌てる一同の前に、ニノンが現れる。彼女はラウルとスミレの仲を認め、
「私は歌い手として生きる」と言い、毅然として、聴衆の待つ第三幕の舞台へと出て行く。
スミレとラウルは皆に祝福され、永遠の愛を誓い合うのだった。 
 
<第16曲 終曲「モンマルトルに咲いていた一輪の花」>